ビジネスマッチングに積極的になれない関係企業

三条市の企業の勢いはなく、減少の一途を辿っている。

それを克服するためにはビジネスマッチングの仕組みを構築して積極的に利用してもらう必要がある。

しかし、ビジネスマッチングのサイトや問い合わせフォームを作って満足するばかりで名ばかりのビジネスマッチングサイトになっている。

ビジネスマッチングが形骸化しないためにも原因を考察してみる。

ビジネスマッチングの関係団体

三条市のビジネスマッチングにおける関係企業を整理してみる。

三条市の企業

仕事の販路拡大、材料仕入れ、外注、新商品の開発、IT化といったニーズがある。

近隣企業

下請けの外注の発注、受注のニーズがある。近隣企業で新商品の開発ニーズもある。近隣で商品製造すれば商品の移動コストを下げることが出来る。

県外企業

製造業、百貨店などが燕三条ブランドで洋食器、ハサミ、刃物などの商品開発が出来る。鍛冶などの歴史を製造開発に組み込んだストーリーのある商品開発が出来る。

研究機関

三条市の製造業はハード面に技術が偏っている。ソフト面の技術協力をしていけば商品の質は飛躍的に上がる。

ベンチャー企業

試作品などを手ごろにストレスなく作れる環境があればニーズがある。将来的に三条市への移転などの効果も見込める。

プラットフォーマー

ビジネスマッチングの仕組みを作っている。

自治体

三条市などの自治体は補助金などの助成。

ビジネスマッチングがうまくいかない原因

三条市の企業は職人気質

三条市の企業は職人気質のある社長が多く、頑固で新しいものを取り込むことを嫌う。

ある日ビジネスマッチングのサイトを構築したからと言って飛びつく人はほとんどいない。

効果があるかどうかわからない上に、利用料金を取られるならなおさらである。

定期的に顔を出すことで信頼を獲得するタイプの人間が多い中、ビジネスマッチングのサイトを作って満足していてはうまくいくわけがない。

近隣企業とのメリットを認識していない

ビジネスマッチングの固定観念が先行している可能性がある。ビジネスマッチングで都内の企業と取引することで起業を成長させる。東京なら未知の素晴らしいアイデアが眠っているに違いないという思い込みがあるのではないか?意外と地元の企業同士でいいものを作れるのではないのでは?

試作品を作るのにも、外注依頼するのにも近い方がいいこともある。

やりたいことを整理して地元の企業でできないか検証してみないといけない。

県外企業に三条市の出来ることが伝わっていない

情報発信があやふやでふわふわしている。世界に認められた、ものづくりの町、鍛冶が盛んだった歴史がある。何が出来るのかを明確に情報発信していない。これ仕事なら三条に頼んでみたいという行動喚起につながる情報発信していない。

鍛冶が得意でものづくりの町と発展した歴史があるという情報発信は、生産性のあるものに繋がらない。

情報発信が拙いかもしれない。

ベンチャー企業は試作品を頼みづらい

ベンチャー企業のニーズも満たせていないかもしれない。

資金はないけど金の卵のベンチャー企業からの試作品作成の依頼も来ない。

試作品などを作成するにもプラットフォーマー本位の仕組みが作られている気がする。

金額は問い合わせてください、見積もりは一件だけ、パートナー企業が決まったら、そこと進めてください、実績統計するため商品開発が出来たら報告してください。などなどワンストップで手続きは出来ないし予算の見通しもつかない。

自分が試作品を作りたいとして全くロードマップが作れない。

プラットフォーマー本位の条件提示するばかりで相手の欲しい情報は担当者に問い合わせてくださいという。調べればわかるように情報開示しておけば担当者も依頼者も余計な手間が無いから楽なのにと思う。

研究機関と話が出来ない

共同研究するのにも、そのレベルの技術があるかわからない中でいきなり相談に行くのも心理的ハードルが高い。相談したいとなっても、何をどうやって相談するのか?誰に相談するのかもわからない。

町工場の社長と学校の先生は、話が合わなそう。

プラットフォーマーが機能しない

ビジネスマッチングサイトの運営などを機能させていない。

三条市内企業の利用推進、県外企業の検索動線の確保のためのPR、長期持続できる経営のための計画作り。これらが甘い気がする。

三条市の企業を取り込むためにはホームページを作るだけでは集客を見込めない。三条新聞や直接顔を見てセールスをしていかないと利用者は増えない。

また、三条市は「ものづくりの町」です。というPRを熱心にしている。そこからネットで検索するときに三条市のビジネスマッチングサイトに到達する可能性は低いと思われる。検索する人の意図は「燕三条のブランドの洋食器と商品開発したい」「スノーピークとコラボしたい」と言った意図で検索する人がいるかもしれない。でも「ものづくりの町」というあやふやな言葉では検索してくれる人は少ない。

県外企業がどんな意図でどうやって検索するかをイメージしながらPRをしないと検索動線はいつまでも確保できない。

最後に長期持続できる経営計画が策定されていないと思われる。

ビジネスマッチング事業は補助金ありきな計画になっている可能性がある。補助金をもらうためにコワーキングスペースやズーム会議室、展示品を置く小さなスペース。要件を満たすためにいろんな中途半端な機能を持たせて補助金ありきで始まる。

そこにはニーズを満たすものは無いし余計な維持費で費用がかさんでいたりする。維持費を確保するために三条市の中小企業にはハードルの高い利用料を徴収することになる。

施設の立地も補助金ありきだと過剰な立地を借りれることもある。金のかかる使いにくいところにリモート会議をするために使う人がどれくらいいるのだろうか。

固定費や設備資金はもっと抑える方法を考える必要がある。

また、マネタライズするための人数と期間が絵にかいたモチになってないのか?維持するためには三条市の企業350社くらいからの定額収入、県外企業からの成功報酬のようなもので収益を上げないといけない。県外企業からの成功報酬がどれくらい設定できるかわからないけど数年後に年間5百万行かないくらい?そしてそのころにうまくいけば三条市の会員から200万くらい収入が入ると仮定して、トータルの売上は年間700万円くらいが中期目標になると仮定する。

年間700万から固定費等を引いていくと年間の手取りが400万円くらい。事務、三条市内の営業、県外の営業をこなすのに3人とか必要なら人件費が一人120万円とかになるかもしれない。

本業でビジネスマッチングをするのはあまりうまみを感じることが出来ない可能性がある。うまくこなすためには別の収益を柱とした別事業としてやりくりしないと難しい取り組みである。

自治体は何もしない

自治体の仕事は、申請書の通りに紙を書いて、要件にマッチしたら補助金を振り込む。

申請書や様式は、その型に当てはめただけで経済効果などは、フォローしていかないと外れていく。

計画通りにはいかないし、補助金もその通りに使っているとは限らない。でもフォローをしないので金をばらまいただけで終わってしまう。

補助金ありきの計画はうまくいく確率はぐっと下がる。

まとめ

ビジネスマッチングで三条市の企業の課題解決できることはわかる。

でも、ホームページを作ってあとは連絡くださいだと、誰も利用してくれない。

誰がどう使ってくれるかイメージして行動しないとうまくいくはずがない。

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