三条市のバイオマス発電所とは

三条市バイオマス発電について興味が出てきたので調べてみた。

バイオマス発電とは?

木材を発電の材料として使う。

間伐材をチップ化して燃焼し蒸気の力でタービンを回して電気を作る。

なぜバイオマス発電を作った?

三条市がバイオマス発電所を作った理由は

  • 温暖化の抑制として市として貢献するため
  • 作られた電気は三条市の公共施設に使う。(電気代をいくら払うのだろうか?)
  • 三条市の間伐材を使い、森林の維持と資源の再利用が出来る。資源を三条市内で循環させる。
  • 林業の振興と雇用の促進

スペック等はこんな感じ

三条市のバイオマス発電所のスペックを調べてみた。

名称:SGETグリーン発電三条合同会社三条保内発電所

関係企業等:三条市、SGETグリーン発電三条合同会社(投資会社)、グリーン・サーマル株式会社(燃料取集)、グリーン発電三条O&M株式会社(運営と維持)

場所:三条市保内工業団地

出力:6,250キロワット(発電規模)、年間約42,700メガワット(一般家庭約1万3千世帯分)

年間木材:6~7万トン

敷地面積約:1.2ha

総事業費:約60億円

運転開始日:2017年09月01日

以下の公共施設で使われる。

環境啓発施設     : かんきょう庵

スポーツ施設     : 大面体育館、ウエルネスしただ

アウトドア施設  : 中浦ヒメサユリ森林公園、八木ヶ鼻オートキャンプ場、白鳥の郷公苑

学習文化施設     : 三条鍛冶道場、丸井今井邸、旧青少年育成センター

公民館                : 井栗公民館、本成寺公民館、下田公民館

保育施設            : 塚野目保育所、月岡保育所、あそぼって、大崎児童館

CO2削減効果

年間約180tのCO2削減効果 ⇒ 森林面積 約33ha相当

(令和2年度使用電力量で算定)

リンクがない。

SPARX Green Energy & Technology
スパークス・グリーンエナジー&テクノロジー株式会社は再生可能エネルギー発電所を開発・管理・運営する会社として2012年8月に設立されました。新しいグリーンエネルギーエコシステムの構築を実現するために、再生可能エネルギー発電事業へのファンドによる投資を進めております。

効果を考察する

・発電量

毎年燃料が6~7万トンと言っていたけど5万トンくらいしか燃料を使っていない。予定より少ない発電量だと思うけど、1万世帯を賄うことが出来る電力を16施設でしか使っていない状態。電気が余っているのではと思う。余った電気はどこへ行くのだろうか。誰がこの電気を使えるのだろうか?

・林業の促進

林業経営体 平成22年 157(内148が販売なし。あっても50万以上は2件だけ) 平成27年 98(内96が販売なし。50万以上は0。) 令和2年 30(内28が販売なし)

現状林業の効果が出ているように見えない。雇用が増えていないし事業数は減っている。廃業を届を出していないだけで廃業しているところがほとんどなのかなぁ?

・燃料の供給について

間伐材の仕入れ(平成30年のデータはあった。今のデータは不明。)

三条市内の丸太:1,800トン(約4%)

市外(県内?):4,100トン(約8.6%)

他県の木材チップ:40,763トン(約87.34%)

ほとんど他県からの仕入れ。市内の林業を促進することが出来ないのか?実際、副会長みたいな人の発言で地域で現存する資材で8割賄える。言ってなかった?って質問に対して事務局長が地域とは三条とは言っていない。みたいな発言もあってなんかキツネの化かしあいみたいになってそう。利用推進会議は稼働してから一回しただけで(平成30年)、そこから情報が出ないのは相当まずいことになっているのではと邪推してしまう。

https://www.city.sanjo.niigata.jp/material/files/group/14/000120468.pdf

・林の面積の増減

三条市の保有面積(単位:a)2020年 31,000a 2015年 107,681a

三条市の保有している面積が激減しているのと、林業の経営者も減っている。

消えた山林は何になっているのだろうか?

懸念事項

https://www.city.sanjo.niigata.jp/material/files/group/14/000120620.pdf

・人材不足?

人が辞めたのか?電気主任技術者の雇用が急募で出ていた。

仕事内容が

<職務内容>
発電所における電気主任技術者として、下記の業務を行います。
・電気設備の保安規定の作成
・電気工事の計画や施工までの管理業務
・収益管理
・生産管理
・運転管理
・人員マネジメント
※発電所におけるあらゆる管理を担当します。

<事業内容>

  • バイオマス発電の開発
  • バイオマス原料、燃料の仕入れ・加工・販売
  • バイオマスに関わるコンサルタント
  • 林業

今大きく注目されている木質バイオマス発電の(山林で使われていない木材を燃料にして、タービンを回し発電する仕組み)先駆者として、バイオマス発電所を建設するプロジェクトのマネジメントと、運転開始後の発電所の運営管理を担っています。

とある。

これらが今の人員では出来ていないから、これらを丸投げできる人材を募集しているのでは?地元雇用にこだわった結果、ノウハウがない人しかいないなんてことになっていないかな。と心配になる。

まとめ

夢のある事業だと思って聞いていたバイオマス発電事業でした。

地元の資材を使って三条市に電気を還元する。雇用を生み出し、衰退していた林業を活発にする。

蓋を開けてみれば、三条市から燃料をほとんど調達していない。雇用も19名雇用してから減っている?そもそも市の実績で19名雇用したというのは小さい実績。個人レベルでも達成可能なスケールの小さい実績。そして林業は順調に衰退している。バイオマス発電所の電気は使いきれてないし、どうすれば使えるのだろうか?

これからどうするのか?求人を見る限りだが、人に丸投げしてきそうな体質で、変化が起きるとは考え難い。

これからの方針は

燃料供給を改善する。市内での林業を活発にするような形で動いてほしい。費用がかかるから調査が行えないじゃなくて、金額を試算したうえで言い訳をすればいいのにと思う。試算してないのかなぁ。

内部規定や事務を丸投げにしないで、本来の理想に迎えるように体制を整える。

電気の使い道を考える。三条の企業に向けて電気を使わせるのか、売電して住民に電気代を還元するのか?販売先とかが不透明な気がする。電気代として、市から発電所にお金が入っているだけなら事業として欠点がある。

60億かけて作ったのならば事業としてしっかり形にしてほしい。

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