新潟の山古志村にある蔵元。今では多くの蔵が取り扱っている「速醸酛」の元祖。当時新潟では淡麗辛口が主流であったが濃醇旨口な酒造りをずっと続けている。
速醸酛は創業者 岸五郎が確立する
創業者 岸五郎は醸造の研究者であり、今では主流である「速醸酛」は創業者の岸五郎が開発した手法。また、軟水の仕込み水を使った酒造は難易度が高かったが仕込み水を加工するということで軟水を使った安定的酒造りを可能にした。
地域性にフォーカスした濃厚で旨口な日本酒
創業者 岸五郎は、「飲むほどに福招く酒」として『お福正宗』を立ち上げた。今でも続くコンセプトでは「飲むほどに幸福感を味わえる酒、存在感のある酒」。
米をたっぷり使いあえて旨みのある味わいを追求。濾過を最小限にして、蔵癖のある個性豊かな酒造りを心がけている。もちろん速醸酛の技術は使っているとのこと。
現当主は4代目の岸富雄代表取締役。会社の経営で大切にしていることは地産地消と地域貢献とのこと。
- 土地と原料は蔵の立地を反映できる要素。酒の原料はコメであり、酒質は、収穫される土地や品種によって異なります。その違いを伝えられるような酒質を追求したい。これもテロワールというのかもしれない。
お福酒造は地域性や独自性を生かした酒造りをしている。
地域を生かした酒造りは大きな観光資源にもなっている。牛の角突き、錦鯉と並んでお福酒造を訪ねてくる観光客も多いという。
そんな地域で’作られた米を使用することに一貫してこだわっている。
主要銘柄の『お福正宗』と『山古志』は生産農家から提供された田圃で「五百万石」の作付けを開始。その収穫米によって『山古志純米吟醸』の醸造を実現している。
主要銘柄
速醸酛での手法をだが、軟水を使用していたり、米の旨味にフォーカスした酒造りのため、穏やかで米の旨味を感じる日本酒が出来上がる傾向になる。
- お福正宗 金撰 普通酒 香り穏やかでやや濃醇タイプ。米本来の旨みを生かした、柔らかな味わいは料理を問わず飲み飽きしない。創業時からの晩酌定番酒。冷やでも美味いが燗映えする酒質。
- 山古志 純米吟醸 米の旨みを感じる芳醇辛口タイプ。山古志の自然豊な棚田で契約栽培された酒米で醸した。生産農家の熱意と越後杜氏の心意気、自然の力強さが感じられる。
- お福正宗 純米吟醸 新潟県産五百万石を100%使用。清楚な香りと淡麗ですっきりとした味わいが特徴。米の旨みが広がり、キレの良い淡麗な喉越しが楽しめる。
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