三条市の製造業は、巨大な数社が占める影響力が大きいと思う。
三条市の事業数と製造業出荷額の推移を見てみると、事業所数は減っているのに出荷額が増えている。中小零細企業は減っているけど、大企業は成長をしていることを示していると思う。
出荷額が少ない事業所は高齢などを理由として辞めており、大きな企業は利益を投資し続けて成長を続けているという状況だと推測できる。
このように三条市の製造業を支えているのは巨大な数社である。三条市の売り上げトップ企業の推移を調べて三条市の経済との寄与度を調べてみる。
大企業は地元経済にどれくらい影響があるのか?
大企業が地元経済にどれくらい影響を与えているか調べてみる。
三条市に住所を置いている上場企業のうち製造業を抽出する。その企業の売上や粗利益の推移を調べることで三条市の製造業出荷額や付加価値額に対して知ることができる。
三条市の売上トップの企業を調べる。調べ方は帝国データバンクが公表している新潟県の売上トップ100から三条市の製造業を抽出する。そのうちから上場企業を抽出し決算書から売上と粗利益を抽出する。上場企業に絞る理由は決算内容を公表しているので粗利益(付加価値額?)を知ることができるためです。
新潟県売上トップ100に抽出された三条市の企業
このうち㈱コロナの売上推移を調べてみる。
製造業に与える影響を知りたいので製造業のみを抽出するが、スノーピークと日本ハム惣菜は除外する。スノーピークは「製造から小売りまで行っている」ため素人には製造業扱いか小売り扱いか判断つかないためです。日本ハム総菜は上場していないため粗利益の調べ方がわかりません。
製造業出荷価額に占める㈱コロナの構成比を調べてみる。
三条市の製造出荷価額に占める㈱コロナの割合
三条市の総生産額は大企業の経営に左右される。
なぜなら三条市の総生産額に対する㈱コロナの割合が大きいからだ。
三条市の総生産額に対する㈱コロナの割合は平均30%を占めているからだ。三条市の付加価値額に対する㈱コロナの割合は小さいが、おそらく粗利益=売上高ー製造原価の中で製造原価の内訳の中で人件費を計算しているため総生産額と付加価値額の構成比に乖離が出たのだと推測する。
総生産額に対する割合も付加価値額に対する割合も㈱コロナの影響は大きいと考えられる。
三条市のトップが占める総生産額の割合
最後に三条市のトップ企業が占める総生産額に対する割合について調べてみる。
今までは製造業に関して上場企業がどれくらい影響を与えるか調べてきました。
三条市全体に対して、売上トップの企業がどれくらい影響を与えているか調べてみます。
新潟県の売上トップの中から三条市の会社だけを抽出します。売上だけは上場企業じゃなくてもデータがあるので総生産額に占める割合を計算してみます。帝国データバンクが公表しているデータから2019年、2020年のデータがわかるので、その年の構成比を調べてみます。
2019年
三条市総生産額 380,031(百万円)
売上トップ企業の売上合計 354,708(百万円)
総生産額に対する構成比 93.3%
三条市のGDPが2019年までしかわからなかったので、2019年のみ算出しました。
製造だけで算出した時より偏った結果になりました。
個人的には多くても80%くらいの結果になるかなと思っていましたが90%を超えてしまいました。
この結果からも三条市の経済状況は上位の数社によって左右されているのがわかります。
まとめ
三条市の大企業が三条市の経済にどれくらい影響を与えているか調べてみました。結論として三条市の大企業が与える総生産額に与える影響はとても大きいと思います。
上位8社の売上金額は三条市の総生産額の93%を占めるからです。
三条市の事業所の数は5,800ほどあるそうですが、しかし上位8社ほどの売り上げが9割以上を占めるというのは予想以上でした。
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